高齢になると、多くの人がお酒に弱くなる現象が見られる。
この現象の主な理由には、身体の変化や代謝能力の低下が関与している。
まず高齢になると、肝臓の代謝能力が低下することが一般的だ。
肝臓は、アルコールを分解・代謝する重要な役割を果たしているが、加齢に伴いその能力が低下するため、アルコールの分解が十分に行われず、血中濃度が高くなってしまうわけだ。
アルコール血中濃度が高くなるということは、お酒に弱くなるということになる。
また加齢に伴い、筋肉量が減少し、体重も減少することが一般的である。
体重が減少すると、同じ量のアルコールを摂取した場合でも、血中濃度が上がりやすくなってしまう。
したがって、同じ量の飲酒でも高齢者の血中アルコール濃度は若年者よりも高くなるので、お酒に弱くなるのだ。
同様に高齢者の場合、体内の水分量も若年者よりも少なくなるため、同じ量の飲酒でもアルコールの影響をより受けやすくなる。
さらに言えば、高齢者は慢性的な疾患や健康問題を抱えている場合が多く、多くの場合、複数の薬物を服用している。
アルコールと薬物の相互作用によって、アルコールの代謝や効果が変化し、より強い影響を及ぼす場合がある。
以上のように、高齢になるとお酒に弱くなる理由は、代謝能力の低下、体重や体水分量の減少、薬物との相互作用などが関与している。
高齢者が飲酒する際には、適切な量を守り、健康リスクを最小限に抑えるように注意する必要があると言える。